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オンライン学習会・その7(2021年7月15日)
オンライン学習会・その7(2021年7月15日)
第7回は、講師に、
上智大学法学部教授の三浦まり氏をお招きして、「政治分野における男女平等参画」をテーマに、単組役員・中間組織役員・全労金中央執行委員、計44名が参加して開催しました。
講演では、「 121位ショック(※2020年のジェンダーギャップ指数: 121位)」について、政治に限らず、あらゆる領域で意思決定の場に女性がいないこと、指導的立場にある女性の割合が低いこと等の問題点が披歴されました。1990年代に、世界的では女性参画推進の動向が見られましたが、日本は対応をせずに自然に任せていたため、世界から引き離されてしまい、政治的意思の問題であることが披瀝されました。また、都道府県議会では、女性割合が平均11.4%となっており、東京都の29%から山梨県の 2.7%まで地域格差も大きく、市区議会は平均16.6%で、0%から50%まで差が大きいことが示されました。さらに、女性がゼロの議会があることや、県内の市区町村議会の3割以上がゼロ議会の県が7県あること、ゼロ議会がない県は3県のみであること現状について共有しました。
「世界の女性議員比率(IPU)」では、女性議員が40%超である国が23ヵ国(2021年1月)であり、30%を超える国は51ヵ国あることが触れられました。女性閣僚も増加しており、40%以上となっているのは30ヵ国あること、ジェンダーギャップ指数(2006~2021年)の上昇幅ランキングでは、アメリカがバイデン政権となり、大きく順位を上げたこと、世界銀行「女性・ビジネス・法律」レポートは、女性が銀行口座を持てるか等を点数化したものであり、 100点は6ヵ国で、日本の点数はは81.9点であることが触れられました。このことは、女性の再婚禁止期間が 100日間あることも影響しており、日本におけるジェンダー平等の法的基盤が弱く性差別が残っていると訴えました。
さらに、日本は女性議員を増やすクオータ制が未導入であること、世界におけるクオータ制の導入状況としては、世界全体では 196ヵ国中 118ヵ国で導入していること、女性をあえて増やすことによって大急ぎで環境を整備するという「発想の転換」が必要であり、これまで男性にも多様性がなかったことがわかると触れました。2018年5月に「政治分野における男女共同参画推進法」が議員立法として全会一致で成立し、パリテを理念に、各党がクオータ(数値目標)を実施することを努力義務としていることや、2021年6月に「候補者男女均等法」の改正法が成立し、女性候補や議員へのセクハラ・マタハラ防止策が明記されていること、議会も責任主体であること、環境整備・人材育成の義務化、政党の努力義務として数値目標や候補者選定方法の改善、等、が明記されています。
「政治家になるためのステップ」では、女性に声が掛かりにくく、声を掛けられて初めて考え、家族を説得する(※男性の同意がないと候補者に出られない)ことや、選挙運動におけるハラスメント等、政治は男性ものであるかのような構図が問題であると課題提起がありました。
「労働組合の役割」では、職場において「ジェンダー平等に親和的な男性性」を育むことが必要であり、意思決定層に女性を3割以上、業務内容や賃金と男らしさ・女らしさの関係性の見直し、男性のケア責任の支援、ハラスメント対策における男性性の見直しが不可欠、等、問題提起がありました。
質疑応答では、「『個人的なことは政治的なこと』の背景」「女性役員を増やす上での悩み」「女性役員選出後のフォローや社会を変えていくこと」等について、質問・意見が出され、意見交換し、参加者の理解を深めました。
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